​時間の贅沢という魂のアップデート

北野武さんの最近の記事に、こんな事が書かれていました。

「時間を無駄にする贅沢」

“時間は命”と思って活動をしていると、ちょっとドキリとする言葉ですよね。

彼は映画監督なので、
その観点でお話しをしていたのですが、
私も作家として、共感するところがありました。

映画も文章も、
内容や結末は確かにとても大切なのですが、
人間が本当に「イイ」と感じるものって、結構「間」だったりします。

行間と行間。
文字や言葉の間。

話しの内容を追っていって、
不意に空いたリアルな「間」が、
作品を観ている人間の思考に、
様々なものを問いかけ、訴えかけてきます。

また、作家達はそこに沢山の情報を詰めている事があります。

ただストーリーを追っているだけだと気が付けない。
話しの意味や、登場人物の背景と心情。
映画や作品を通した伝えたい事、隠れた問題点…。

また、
自分事としてストーリーを捉えていると、
そのあらゆる「含めた情報」が、その「間」からダウンロードされてくる。

心の中で『っあー……』と、言葉にならない複雑な感情の感嘆詞が出てきて、

その膨大な伏線回収のような、大量の情報のダウンロードに、一気に脳みそが色々と思考を巡らせる。

なんなら観終わった後、読み終わった後も考え続けている。

それを、北野さんは「人生の贅沢」と言っていたのです。
言い得て妙。
しかし、確かにそれは贅沢な時間なのだろうと納得してしまいます。

一見無駄で、確かに今すぐ何かの役に立ったり、お金になったりはしない。
けど、深まる感じだけはある。とにかく、深まる感じはある。

これは、魂のダウンロードなのかもしれません。

この世に出回っている作品の中には、読み手の前世とリンクしているものが多数あります。
しかし、前世鑑定とは違い、そんな事を露とも知らず純粋に作品として観よう、あるいは読もうとするので、すんなりと心や魂が内容を受け入れる。

そうすると、前世のリフレイン、あるいは、問題提起、あるいは、ブロックが外れる気付きが結構簡単にできたりする事もあります。

作品を観て心が揺さぶられて仕方がない時、前世の事を魂が思い出している事があります。

天界から地上に産まれる時、人はそれまでの何もかもを忘れて産まれてきます。

忘れ去った大切なものを、再びアプリをダウンロードするように魂にダウンロードする。

また、私は鎌倉に引っ越してきて、都心との時間の流れの違いを感じました。

人が一番集まる駅で、せかせかと苛立つ人がいない。
夕方になっても皆、譲り合ったり、ゆったりと家路へついています。

季節の移ろいをハッキリと感じ、沢山の生き物たちが生きている事を感じ取れます。

思わず、大きく深呼吸をしたくなる。
空や自然をじっくり見ていたくなる。

結構毎日発見があるものです。
あの家の木、今年は実が成ったな。とか(笑)

凄く、贅沢な時間だと思います。
自然の中の八百万の神様方と共に、時間を過ごしていると思っています。

そのような時間は、
じっくり、炭火の遠赤外線にあたっているように、
心が幸せで温まっていく感覚です。

それも、魂のアップデートのためのダウンロードなのかもしれません。

急いで急いで、
分刻み、秒刻みで生きて、
映画も倍速や飛ばし飛ばしで観る世の中で生きる。

それは、人によっては合っている事もあるでしょう。

しかし、こういった「時間の贅沢」を噛みしめるというのもまた、
人生の醍醐味なのではないでしょうか？

豊かに生きる。
幸せに生きる。
贅沢に生きる。

その価値観、その種類は人の数ほど答えがあるはずです。
是非あなたも、自分だけの幸せな時間、贅沢な時間を見つけてみてください。